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家を売った話

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ついにここもテックブログではなくなりました。本当に (ry
まあそんなもんですよ。気づけば世の中は思った以上にAIの浸透が進んでいってびっくりです。
冗談抜きにあと5年で開発の仕事はほとんどなくなるんじゃないかなー。
少なくとも新規はそうなると思う。人間のコンテキストがどっさり乗った既存のプロダクトはどうかわからんけども。

さてさて、一旦それは置いといてプライベートな近況です。
タイトルの通り住んでた家が売れました。(中古から中古への買い替え)
これがなかなか面白い経験だったのでちょっと書き留めておこうかなというのが今回の記事になります。

最初に結論を書くと、

  • 査定より500万高く売れた
  • 売る前に買ったのが良かった
  • なぜならどう売るべきかが見えるから

という話です。では時系列に沿って詳細を。

査定をしてみる

じつはちょっとした経緯があって、家を買ってすぐの頃からAIで家の販売価格がわかるサービスに登録していました。
2019年ごろの話ですかね?当時はまだDeepLearningが話題になり始めたあたり。
最初は1700万円ぐらいの予想価格で、コロナ禍を経て関東の地価が全体的に上がり2000~1900万円を揺れるような推移。

で、いざ売るというタイミングの2024年。リアルに家に来て査定してくれた業者さんがいくつかあったんですが、ここで提示された金額もAI査定と変わらなくて「高くて2000万後半ぐらいですかねー」という感じでした。

僕は「ですよねー」と相槌を打ちつつ、内心は「いや絶対もっと高く売れる可能性あるだろ」と思っていたのです。
なぜか。

買い手としての目線をもつ

前述の通り僕の場合は買い替えで、今回は先に買ってから売ることにしました。
この「買う」タイミングで当然色んな家を見るわけです。

今回は同じ市内で引っ越すという前提があったため、必然的にそのエリア内の物件情報・実際に家を見た上でのリアルな相場感というのが出来上がってきます。
また、同時に「この家は立地がいいけどここが微妙」、「この家は設備は悪くないのに環境で損してる」みたいなところを総合していくと、自分の家の強み・弱みが見えてきます。
結果として「具体的にあれそれこれを補強すれば今のエリア内で不足しているポジションを埋めれるはず」というプランが立ち上がってきました。

実行する

作戦は結構単純で「めちゃくちゃ綺麗にする」です。
当たり前やろそんなん!と思うかもしれませんが、中古の家を買う時ってまだ住んでるところにお邪魔したり、退去後ほぼそのままの家を見にいく、みたいなことが多いんですよね。あと、退去後に多少リフォームしていても設備自体が古臭かったりする。
結果「安いけど、やっぱり新築にはだいぶ見劣りするなあ...」という印象になって、買うまでのモチベーションに至らないんですよね。

なぜこういう状況が生まれるかというと、不動産屋さんは売却の際に「そのまま売って、買主さんにリフォームしてもらう方が結果利益が出ますよ」と売主にアドバイスするわけです。
これは様々な理由はあれど、おそらく単純に「面倒なことは後にして早く売りに出したい」というのが本音なんじゃないかなと思います。

つまり、

  • 不動産屋 買った人が住む前にリフォームするんだから早く売りに出したい
  • 買う側 予算内で買ったらすぐ住める方がいい (そう思ってる人だけを今回のターゲットにする)

という、 両者の期待のギャップ が起こっているんじゃないか?という確信が僕にはありました。

そこで最初の「めちゃくちゃ綺麗にする」です。言い換えると「中古なんだけど中身はほぼ新築同等な見た目に持っていく」ということを実践しました。
具体的には壁紙全張り替え、洗面台交換、浴槽再塗装、外壁洗浄などを外注し、それ以外の掃除は自分でめちゃくちゃ時間かけて道具も揃えてやりました。親族にも一部手伝ってもらい、僕自身は年末年始全部潰しましたね。本当大変だった。。。。

あと、外注する際に一箇所にまとめて頼むんではなく、それぞれの業者さんの得意分野に対し個別に発注をかけるのもポイントです。リフォーム業界も階層構造になっているので、親->子->孫とやっていく中でコストが嵩んでいくんですね。
工程・発注管理がちょっと面倒ですが、くらしのマーケットをフル活用でコストを抑えつつかなり綺麗に仕上がったと思います。

結果

売りに出して1ヶ月半で、2500万で売買契約が決まりました。
査定の平均値が1980万 + リフォーム代50万 と考えると約500万のプラスです。やったぜ。

偶然ですが「立地はまあまあいいとこに建ってた」、「経年の割に古く見えにくい内装デザインだった」のをうまく活かし切った結果かなと思っています。
売却の仲介をしてくれた不動産屋の担当の方も「普段はリフォームなしで売却がほとんどなので、今回の方法は私にも大変勉強になりました」と言っていました。
(通常、家の売買は取引金額のx%が手数料になるので当然彼らにとってもプラスになった)

感想

当初、自分なりの確信はありつつも、他の査定も信頼のおけるものだろうとは思っていたのでどっちに転ぶかなーと思っていたんですが、自分の作戦がうまくハマったのは面白かったですね。

あと本当につい先日、不動産売買に詳しい方と話していて印象に残ったのが「不動産は面じゃなくて点で見た方がいいよ」という言葉で。
これはその地域の平均的な家賃がどうとかいうことではなく、その物件の価値はどこにあるのか?また、その価値を欲しがるピンポイントの人がどこかで現れるからできるだけ待った方がいい、そうすれば自ずと高い価格で運用できるよという意味ですね。

今回買主として手を上げてくださった方も、「学区をできるだけ変えたくない」「お風呂が綺麗なのがいい」という理由が刺さっていたようでまさにこの話だなーと思った次第です。

AIは何でも教えてくれるいいパートナーだなと思います。けど、それぞれの人間が何に価値を感じるのか?まではわかりません。
そういう一つ一つの視点を見つめるところに、まだ人間がモノを作っていく面白さがあるのかなーなんて思ったりもします。

買った方の話はどうなの?とか入った利益はどうするの?みたいな話はまた別の機会に。
よかったらぜひ新居にも遊びに来てくださーい。